
日本で一番最初に初日の出を拝める場所といえば、旅人はすぐに答えることができる。山頂や離島を除いてのことだが、それは銚子の犬吠埼。千葉県人なら誰でも知っていること。何もここでお国自慢をするわけでなく、東の対極にある西から文化が開けてきたことを改めて感じてしまう。そうなると、どうしても九州を外すことはできない。
お受験シーズン真っ只中でもあるわけで、本来なら太宰府天満宮がふさわしいのだが、そこは一ひねり加えるのが、プラベ流、日本の歩き方でもある。
目的地は久留米。福岡市、北九州市に次ぐ第三の都市。とはいっても東の人間にはなかなか馴染みがない土地柄だが、本誌旬人コーナーに出演いただいたチェッカーズの高杢さんの出身地。松田聖子、鮎川誠、石橋凌といった数々のビッグネームを輩出。そして世界に誇るブリヂストン発祥の地でもある。

これで興味がわかないことはないだろう。
ここにも発祥が
企業城下町としての顔は、立派な市庁舎や整備された区画からも感じることができるが、北に目を移せば筑後川、南に向ければ高良山、発心山など小高い山が迫り、恵まれた自然環境が残されている。そこで日田街道を東に向かうことにする。目的地がはっきりと決まってはいないが、何かいいことがあるという予感だけで車を走らせる。この付近を走っていて目につくのが造園業の看板だった。筑後川に沿って田園風景が広が

る、畑に目を移すと野菜の栽培でないことに気付く。それは植木の苗であったからだ。
田主丸地区は、今から300年以上前に、はぜ、桐、桑などの栽培から始まった、植木・苗木の大生産地。鑑賞樹、山林苗、みかん苗など多彩な樹木が栽培されているが、中でも橘苗木は全国シェアの9割を誇る。一度は、義父の趣味でもあった盆栽を趣味にしようと、How to 本を購入したのはいいが、実践したことはなかった。今はその手ほどきすら受けることが叶わないのが残念だ。
さて、いよいよ久留米の旅も終わりに近づいてきた。見て歩きをしながらも、どうしてこの地から、特にミュージックシーンで輝くアーティスト達が生まれてきたのかということが、いまだにつかむことができなかった。その芸能界はもちろん、ソフトバンクの孫さん、そしてホリエモンといった新時代のリーダーすら育んできている。
再び市街中心地に戻ると、その答えを暗示するような場所に辿り着く。それが水天宮。関東の人間にとって、水天宮とは、日本橋蛎殻町と相場は決まっている。しかし久留米の水天宮がその総本宮だということを知る。巫女さんにその旨を確認すると、「そのとおりでございます」と格調高く答えてくれた。
これでようやくわかってきたような気がする。水天宮にに護られた出自からして違うことを。初詣を兼ねて、是非、安産供養を。
メガネの価値観を一新させるサロン
メガネのとらや g・room

店の扉を開けると、そこには店主が笑顔で出迎えてくれる。予め取材の時間を調整させていただくわけだが、予定より早い到着にもかかわらず、その気配を感じとってくれたことが素直に嬉しかった。この連載ももうすぐ節目の100回を迎えるわけだが、取材する側としてこうしたもてなしを受けるける事はそう多くなく、一期一会が身にしみる。
その人と人とのふれ合いを感じることができるメガネショップが、メガネのとらや g・room。店内に入って感じることは、プレゼンテーションされるアイウェアがほとんどないこと。奥に進めば、大きなテーブルが2つ。ショップというより、自分の家にいるようなくつろぎの空間が広がっている。
メガネはファッションアイテムとしての意識が高まっており、圧倒されるようなコレクションの中から、お気に入りのメガネを手に入れる楽しみも広がりつつある。それだけに同店は異色に映る向きもあるだろうが、メガネを改めて見つめ直すと、快適な視力のフィット性、そしてファッションなど、様々な要素が複雑に絡み合うが、何と言っても、完成品となって初めて評価されるもの。メガネを必要とする人の生活環境を深いところで理解されなければならず、ホスピタリティあふれる空間は歓迎される。そのもてなしの心は、ゲストの部屋を意味する、g・roomにも見ることができるだろう。
初めて訪れる人にも感じることができる居心地の良さ。しかしここに至るまでは様々な葛藤を経てきた。メガネのとらやは元々、現オーナーの豊福祥人さんの叔父が経営していた店で、後継がいなかったことから引き継ぐことにる。テナント出店していた店では、本体からの度重なるセールの指示に、メガネの本質が崩れてしまいかねない、これでは良いメガネが販売できないと、一時は店を畳むことまで考えていたという。それを踏み止まらせてくれたのが、顧客と取引先の熱心なサポート。
「顧客の中には、東京ではこういう店が流行っている。こういったメガネを扱ったらいいと教えてくれました。また取引先の方々にも、頑張っていらっしゃる全国の同業のお店を紹介しもらいました。これがなかったら、いまの店はありません」と豊福さん。メガネと真摯に向き合う姿勢が、多くの人の心を動かしたのだろう。メガネに対する思いの強さを映し出すかのようだ。
最盛期には3店舗で展開していたが、今から13年前に現店舗に集約。駅周辺の商店街から離れ、静かな住宅地の佇むメガネのとらや g・room。多くのサポーター達の気持ちに応える心が息づいていることは、店と顧客はもちろん、顧客同士の楽しい会話が日常的な風景になっていることが物語る。
こうしたサロン的な雰囲気の中でのアイウェア選びは、きっと格別なものになる。それは必要して掛けるメガネから、積極的にメガネを掛けたくるアイウェアという誘い。オーナー夫妻の人柄が、その魅力を高めてくれることは言うまでもない。

メガネのとらや g・room
住 所:久留米市西町200-1
TEL:0942-21-9220
FAX.:0942-21-9532
HPアドレス:
http:/www.g-room.jp/
営業時間:10:00〜18:30
定休日:木曜日
オーナーの豊福祥人氏夫妻

取扱ブランド
テオ、ジャポニスム、アンバレンタイン、icベルリンなど
上からジャポニスム JN-477、テオ DAUPHINOIS、ハスキーノイズ H-102