
東京シティマラソンをみるまでもなく、マラソンはもはや単なるブームという括りには当てはまらない存在になっている。これは健康志向という追い風も手伝っていることは明かだが、自分自身で味わえる達成感をそう得られるものはない。だがその走りを身近なものとしてくれたのは、やはりアスリートの活躍があってこそ。感動を与えてくれた数だけ人は魅了されていく。その代表的なランナーとして活躍してきたのが、千葉真子さん。マラソンに限っていえば五輪出場こそ果たせなかったものの、アトランタ五輪では、トラック競技において日本女子陸上界に64年ぶりに入賞を果たし、また世界陸上においてはトラック、マラソンという異種目競技においてメダルを獲得。これは世界初の快挙でもある。そんな千葉さんにマラソンの魅力を語ってもらった。
「とにかく頑張りすぎないこと。健康診断の結果をみて、明日から走るぞー、という方が多いんです。気合いを入れすぎてしまうから3日間も走れば、膝をやられてしまう。典型的な三日坊主のパターン。まずは歩くことから始めるのが何より大切。徐々に距離を伸ばしていけばいいのです。まったく走ったことがない方でも1カ月も続ければ、10kmは走れるようになります。目標は人それぞれですが、健康ということを考えれば、とにかく無理は禁物。私もいまは、ただ楽しく走りたいだけです。自分自身のテーマ、美と健康のために走っていますから、1日2kmだけ。腕時計だってつけていません。その楽しさもいろいろなレベルがあると思いますが、選手時代は自分を追いつめていくところに楽しさがあったんだと思います。一生懸命になれるものであり、自分を輝かせるものでもありました。いまになって初めてまわりの景色を楽しむ余裕ができました。単純に走ることが気持ち良くて体が喜んでいる。これが引退してから感じることができたランナーズハイだと思います」
健康にもいい走り。それだけに継続することがなにより肝心だが、その継続が難しい。そこで悩めるランナーに千葉さんからアドバイス。
「ジムでマラソンクラスの生徒を指導していますが、『こんなに遅くていいんですか』と必ず聞かれます。皆さん難しく考え過ぎています。歩いてはいけない、速く走らないといけない、ということはまったくありません。歩くのに毛が生えたスピードでいいんです。このペースが理解できるようになると段々と楽しくなっていく人がほとんどですから心配いりません」
いまでこそマラソン界でもスポーツサングラスは共に戦うア

イテムの一つとして迎えられている。千葉さんにとってサングラスはクールダウン効果も持っているという。
「中には景色を見て楽しんでいる選手もいるようですが、私は集中したいタイプなので、目に入ってきません。道しか見ていません。フルマラソンでは30kmまではそれこそ無心で走っています。外部要因によって考えるエネルギーすらもったいないぐらい。そんな私でもサングラスは欠かせないアイテムになっています。特に夏場には欠かせません。湿度が嫌というより、目で見た感じが大切なんです。サングラスをすると世界が曇って見えて、それだけでも涼しげになる。見た目に影響されやすい方なので、サングラスにはクールダウンの役目があるんです。いまではサングラスなしでは、目も痒くなって充血したりするほど。紫外線の影響かもしれません。また風が強い日はホコリの進入も防いでくれます」
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