
いわき市の観光といえば、海をあげることができる。小名浜港を筆頭に新鮮な海の幸が揃う。ご当地ならではの、めひかりは、酒の肴としても絶品であることを強調しておきたい。また多くの海水浴場を抱え、夏の季節は海水浴客で賑わう。津波の被害は千葉県にまで及んでいただけに、いわき市沿岸部の被害も当然予想していた。ただ岩手、宮城の被害が際立っていたことから、報道もこれらの地域に集中していただけに、現地の状況を理解するには限界もあった。
不安を抱えながらのいわきの旅が始まる。
この企画旅を通じて、不思議なことにいまは亡き両親を偲ぶことに少なからずつながっている。そのほとんどが父親なのだが、ここに来て母親を思い出すとは。ひばりの大ファンであった母は晩年に体調を崩していたことから、コンサートに行くことは叶わなかった。お楽しみといえばレーザーディスクからブラウン管に映し出された姿を飽きもせずに何度も繰り返し観ていたこと。こちらは色気づいた頃だから共感できないものの、自然とその優れた歌唱力に惹かれてもいった。もちろん波瀾万丈な人生も。
さっそくナビゲーションに入力し、塩屋崎を目指す。画面には沿岸部を通るルートが示されている。目的地付近に差しかかったことから、右折の案内が出るも、立入禁止のゲートが立ちはだかる。目を海側に移せば、そこは別世界が広がっていたのだった。塩屋崎灯台の下にある歌碑には行くことができるという地元情報を信じ、一旦塩屋崎を通り過ぎ豊間方面からの迂回路を探し出す。
ようやく海岸に近づいてきたことを確認すると、規模こそ違うが気仙沼で目にした光景が蘇ってきた。津波で根こそぎ家屋が流され、また小学校の校庭には瓦礫の山ができていたのだった。
それでも塩屋崎へのアクセスは確保されていた。ほんの100メートル先は津波に飲み込まれたとは思えないほど、歌碑は無傷。写真撮影にとって観光客はありがた迷惑という場面もあるが、平日とはいえ次々に観光客が詰めかける姿に安堵する。
みだれ髪は、長期入院後にはじめてレコーディングされた楽曲であり、きっと思い出深い人も多いことだろう。旅人もカラオケスナックで熱唱する業界人も数多く、自然と刷り込まれている曲でもある。観光客も歌碑を目で、指で触れながら、ひばりさんと一体になっている。母に代わり大好きだった、ひばりさんと出会うことができたのを親孝行としたい。
復興の町へ
是非、立ち寄って欲しいスポットがある。それが競走馬総合研修所常磐支所。堅苦しい名前だが、傷ついた競走馬たちのリハビリ施設。しかも温泉付きなのだ。
馬場に目を移せば、騎乗訓練を開始している馬もいる。スピードこそないが、その走りは優雅を極める。2頭目の馬が調教に馬場に出ると、2周もできずに馬場を後にする。走ることが宿命の競走馬が悲鳴を上げている。言葉を発することができない動物の心

中を思うと、涙ぐんでしまう。すでに老眼世代であり、当然涙腺も緩んでしまうわけだが、馬場での調教を終えた厩務員さんが、「もう少し近くで馬を見ませんか」と声を掛けてくれた。一見するだけでは、どこに故障があるのかわからないが、身体から湯気が立ち上る光景に、勇気づけられたことはいうまでもない。
見学のお礼を受付嬢に告げると、「競馬は好きなの」と声を掛けてくる。住まいの近くに競馬場があることや、毎週のように場外に通った思い出を語ると、数々の記念グッズをプレゼントしてくれる。その一つに2012年のレーシングスケジュールが紛れ込んでいる。「もう競馬はしばらく遠ざかっているんです。しかも買い方が複雑過ぎて・・・」と本音をもらすと、室内の奥に向かい何やら物色。「あった、あった」と声を出しながら手にしたものは、運試しのサイコロ一式。「困った時の神頼みよ」と豪快に笑う。
競走馬だけでなく、いわきには復活が似合う。炭坑の跡地がハワイアンズへと変貌し、炭坑から観光地に生まれ変わった。炭坑から観光、そして復興へ・・・、この歩みは地元の方はもちろん、全国民の願いである。
人間力がメガネの価値を高める
【大平眼鏡店】

装うメガネ、アイウェアとしての楽しみはいま、様々な形で広がっている。見るためだけのメガネから、魅せる要素を加えてきたことで、新たなメガネ文化を創出してきた。コンセプト系、セレクト系といわれる業態がそのけん引役を果たしてきたが、人気の高まりとともに追従する店も後を絶たず、一頃の勢いは感じられない。しかしアイウェアという意識はしっかりと根付いていることは紛れもない事実。アイウェアに対するセレクトの目がユーザーに備わってきただけに、ショップの真価が問われるようになっている。
いわき駅前のランドマーク的存在のファッションビル、ラトブ。これまで駅ビルで営業を続けてきた大平眼鏡店が、ラトブオープンに合わせて、商品構成を大幅に変更して出店したのは今から5年前。人気のハウス系ブランドを数多く揃えていることからも、ファッションという取り組みに力を入れていることを感じることができる。セレクト系ショップとしては後発になるが、むしろいまの時代だからこそ、アイウェアに対する愛着の高さを示すものともいえる。
「メガネ選びは、どうしても控えめなものを選ぶ傾向が強いよう

です。全てではありませんが、お客さまが求めていたイメージとは違った提案が受け入れられ、喜んでいただける。我々にとってその喜びはお客様以上です。丁寧なカウンセリングや接客が、コミュニケーションづくりの基本です」と大平専務。同店は温泉地として知られるいわき市湯本で、いまから約60年前に創業。同地には大平時計店本店があり、何でも創業者は80歳を超えても店頭に立ち、つい最近まで顧客とのふれ合いを大切していたという。言葉では簡単な顧客本位だが、これだけは時代の積み重ねによって熟成され、DNAとして受け継がれていくということだろう。
いまプライス系のメガネが市場を賑わしている。少なからず調整に訪れるユーザーにも出来る限り対応していきたいという。これも地域に根ざす、メガネ店の良心を垣間見ることができる。そして「メガネは人に与える印象が強いものです。それだけに殻を破るのは大変ですが、その向こうにある心弾むような世界を伝えていきたいです」と大平専務。顧客に笑顔を届ける、楽しきアイウェアの世界は無限に広がっていく。
専務ぼ神成達也さん
店長おすすめの一品
上/スペックエスパス 9061
中/ジャポニスム JN-W03
下/イエローズプラス 0581
大平眼鏡店
住所:いわき市平字田町120 ラトブ3F
TEL&FAX:0246-21-6161
営業時間:10:00〜20:00
定休日:元日、ラトブに準じる
ホームページ:http://www.ohira-gankyo.com/
取扱ブランド
ジャポニスム、スペックエスパス、イエローズプラス、オークリー、BCPC、プロデザインデンマーク、DJUAL、リドル、Z-parts、オズニス、TALEXなど