視力だけでは語れない見る力 Hiroshi Aoyama

年間グランプリを獲得

3月旬人-1昨年、モータースポーツにおける吉報が届けられた。それがWGP250CCクラスにおけるシリーズチャンピオンに輝いた青山博一選手。幸運にも凱旋帰国している青山選手へのインタビューの機会を得ることができた。本田技研工業本社ビルに現れた青山選手も同様に身長は165cm世界チャンピオンという風格より、爽やかな笑顔が印象的な好青年のイメージだ。それは極限のスピードの中で磨かれてきたものであり、そのギャップこそ一流のアスリートとしての素顔なのかもしれない。

ところで乗り物といえば、男子にとっては特別な存在である。レースの世界は別にしても、オートバイに興味を持つことは何ら不思議なことではない。ところが青山選手のオートバイデビューはほろ苦いものであった。
「子供ながら初めは拒否していたんです。初めて3月旬人-3オートバイに乗ったのは5歳の時。実家からそれほど遠くない千葉北にあるポケバイコースに連れて行かれたんです。最初は他の人たちが走っているのをただ眺めていただけなんですが、父から乗ってみろといわれて。スピードは出ているし、エンジンの音はうるさいし。泣きべそをかきながら半日嫌がっていたんです。でも一度でも乗らないと、家に帰れないんじゃないかと思って。一回乗ったのがすべてのはじまりでした」
青山選手のお父さんがモトクロスをしていた関係もあって、子供たちにもオートバイの楽しさを教えたい。家族共通の趣味があることは、どんな家族でも思い描くもの。そんな父の思いが通じたのか、それ以上に5歳の子供にとってオートバイの魅力は衝撃的だった。

その後、めきめきと頭角を現し、これを実践するように03年、全日本ロード選手権GP250CCクラスでチャンピオンを収める。その活躍はホンダの目にとまり、ライダー育成制度のスカラーシップを受け、その第一期生として、いよいよ活躍の場は世界へと移っていく。250CCとはいえレース用マシンであるから、時速は軽く250kmを超える。そのスピードの世界で見る景色とは一体どんなものなのか。見る工夫はピットボードにもあった。
「僕が使っているサインボードは、板自体に光が通るようになっているんです。蛍光灯で裏面から照らし出すような、半透明のアクリルボードなんです。他の選手も蛍光色で書いているようですが、僕は光を通すことでさらに見やすくしているんです。これはイギリスで購入したもの。イギリスは天候が不順ですよね。しょっちゅう雨が降りますから、だからこういうボードが開発されたんだと思います。ピットサインは1周に1度しか見ることはできません。いちレース20〜30周行いますが、1回でも見落とすと、レース展開に大きく影響してきます。だから見落とさない工夫は必要なんです。とにかく見ることが重要だということです。昨年のシーズン途中から使用していますが、年間チャンピオンに貢献したといっても過言ではありません」

MotoGPは、今年4月11日カタールで幕が切って落とされる。日本人唯一のライダーとなる青山選手のマシンは、育ての親でもあるホンダエンジン。日本人ライダー、日本製エンジンの活躍を祈るばかりだ。

オフィシャルサイト www.hiro-aoyama.com

全文は是非、本誌で!