GOOD EYEWEAR
頑固おやじのメガネの愛情
気が付けば、このメガネはもう4年目か。
随分と長持ちしたものです。大事に使っていてもさすがにこの頃になると、プラスチックフレームの色もくすんできて、見た目も悪くなってきたから、メガネを新調しようと近所のメガネ店に行きました。
いかにも眼鏡店といったスタイルで入るのにはちょっと勇気がいりました。
しかもここの店主、お客が来たにもかかわらず愛想笑いもしないんだから。
失敗したなと思いながらメガネを物色し、予算内のメガネを何とか探すことができたんです。
これでメガネをとお願いしたら、私が掛けているメガネを見て、「まだ十分使えるよ」とまったく商売っけがない。
「視力が合わなくなったので新調しよかと思って」と私。
そうしたら「そのメガネ掛け心地がいいんじゃないの」と聞いてくる。
あっ、そういえば、このほかに3本メガネを持っているけど、確かにこればかり掛けている。
どうして分かるのかと聞いたら、「いま掛けているメガネが寂しそうにしている」って。
顔に似合わず何ともポエムだこと。
よく聞けば、自分にピッタリとフィッティングされていることを見抜いていたようで、メガネを手放す悲しい表情が無意識に表れていたとも。
受験を共に戦ってきたのもこのメガネだったなー、と改めてメガネに感謝。
「度が合わなくなったならレンズだけ交換すればいいよ」との提案は大歓迎。
でもフレームの色がと気になっていたところ、さっとメガネを手に取り、裏の作業場へと消えていく。
5分ほどで戻ってきた店主の手には、ピカピカに輝く私のメガネが。
「自分にしっくりくるメガネが一番だよ」。
いくら客とはいえ、赤の他人。
そんな私のメガネに愛情を注いでくれるなんて。
NO GOOD EYEWEAR
メガネ自慢を押しつけるな
メガネがおしゃれアイテムといわれ、ようやくメガネ人にも脚光が浴びるようになった。
そんなわけで遅咲きの自分は、ブームに遅れまいと都内のとある眼鏡店に向かった。
ガラス張りでそこはまさに美容室、それともブティック。
まぁおしゃれアイテムだから当然なんだけど、いざ店に入ってメガネを物色していると、これまたホストばりのいい男性スタッフが寄ってきては、旬らしきメガネを勧めてきた。
「よくお似合いですよー」とやけに馴れ馴れしい。
続いて出てくるトークは、「この色は新色なんです。オリジナルのカラーです」とメガネばかりを褒め称えるばかり。
自分にどう似合っているのかなんて説明は一切無し。
自分にとってのメガネは生活に欠かせないもの。
そんなにお金に余裕があるわけではないから、ひとつのメガネに勝負をかけているのに、メガネ自慢ばっかり。
メガネトークはさらにヒートアップ。
自分で酔いしれているんじゃない。
きっとここはメガネのギャラリーなんですね。
メガネでおしゃれはしたいけれど、何も作品を買いに来たわけじゃない。
自分の視力の代わりになってくれるんだから、メガネを勘違いしているんじゃないの。
おしゃれな眼鏡店は単なるおしゃれだけなのか。
ちょっとがっかり。
(K.I 32歳男性)