会津若松
Aiduwakamatsu
義の精神を心に刻む

会津藩校・日新館は、白虎隊の学舎としても有名だが、恥ずかしながら一度も訪れたことはなかった。戊辰戦争で跡形もなく消えてしまったが、会津の精神文化を後生にと昭和62年、河東町の丘陵地に復元されたという。その姿は、磐梯山を借景にする光景に足が止まってしまうほど。ただ眺めていることが、これほど贅沢なことはないとさえ感じさせてくれる。
立ち尽くしていると係の方が現れたので、「もの凄い規模の学校なんですね」と話しかけると、「ありがとうございます。日新館は全国3百藩校の中でも規模内容ともに随一だったんですよ」と胸を張る。もちろん規模に関しては疑う余地はまったくないが、内容についてを知りたくなる。「文武両道を掲げる学校は数多くありますが、特に剣術などはたくさんの流派があり、また道場に通うケースがほとんど。ここは10ほどの流派を集めていたんです。また日本で初めてプールを造った学舎であり、学校給食もここが最初なんですよ」。十二分に納得です、はい。
天下太平の世となった江戸時代。天明の飢饉をはさみ財政難に苦しんでいた五大藩主松平容頌の時代、家老の田中玄宰が財政改革の中心に教育の振興を掲げ、これが日新館の開校につながる。論語や中国の古典を学ぶ一方、書学、天文、医学ほか、武道も剣術、弓道、砲術など、まさに文武両道の総合大学。前述のプールは競泳目的でないことはご想像のとおり。鎧甲をつけたままで泳ぐ水練だ。生徒数は多い時で1300人もいたという。面積は8千坪、建物は1千5百坪。どれほどの大きさか想像しにくいが、学舎の瓦を積み重ねると富士山を軽々越えてしまうといえば、イメージがわきやすいかも。
白虎隊が学んだ学舎を後に、向かう先は飯盛山となる。賑やかさに欠けてはいたが、墓所を前にすれば

、香華が絶えることはない。この日も小さな子どもを携えた家族連れが線香を手向ける姿が見られたことに安堵し、また少年剣士達の悲哀を感じずにはいられない。戊辰戦争の舞台の一つになった会津戦争で、炎上する鶴ヶ城を眺め自刃する。この悲劇は多くの人たちに刷り込まれているいるが、唯一の蘇生者、飯沼貞雄氏によって、一部事実ではないことも明らかにされている。歴史は枝葉に面白味があるといわれるが、事実ほど重いものはない。飯沼氏自身も晩年になってようやく重い口を開いたという。同志とともにできなかった辛さは本人しかわからない。仙台逓信局に所属し、電信技士として維新後を生き抜く。きっと生を取り留めた務めとして職務に邁進されたことはいうまでもない。皆が眠る飯盛山に遺骨の一部を埋葬され、きっと同志から労いの言葉をもらっていることだろう。没年は昭和6年とある。奇しくも亡き父がこの世に生を受けた年でもある。昭和ひと桁特有の頑固さで、衝突は日常茶飯事。人の意見に全く耳を貸さずを貫いたが、思い返せば什の掟に通じることばかり。亡父の思い出を重ね合わせて手を合わせた。
当然のことながら、足は自然と鶴ヶ城に向か

う。ここもお決まりの観光コースだが、よほど相性が悪いのか、訪れる度に修復作業でなかなか全容を臨む機会に恵まれなかった。ようやく福島愛を受け止めてくれたようで、お天道様も味方につけて、その美しい姿を拝むことができた。しかも今年は天守閣の屋根瓦が葺き替えられたばかりというご褒美も。天守閣の内部は、資料館として会津の歴史が学べるようになっているので、階段を上るごとに楽しみも広がる。そして最上階の五層から広がる景色に圧倒される。若くして散った白虎隊が眠る飯盛山を臨む。忠誠と義に生きたその精神が、麓の紅葉を美しく輝かせていた。
この町のおすすめショップ
生活の質を高めてもらうために 【メガネのアイワ】

メガネは身近な存在になっている。プライス系ショップに起因するものだが、いわゆる専門店で販売されるメガネとは何が違うのか。外観からではわかりにくいメガネの特性も手伝ってしまっているが、その一つの答えを示してくれる店と出会うことができた。福島の城下町として知られる、会津若松にあるメガネのアイワだ。
現在、店を切り盛りするのは、二代目に当たる店長の神成達也さん。好きな自動車関係の道に進みたいと考えていたが、代表で父親でもある神成孝典さんが体調を崩したことにより、店を手伝うことになる。メガネに対してそれほど興味がなかったというが、手伝い初めて2年ほど過ぎた頃、大きな転機が訪れる。
「あるお客様にメガネを調製したところ、その方が本当に喜んでくれて。普段の生活に張りが出て、生き生きしていると、本人が話してくれたんです。快適な視界と似合うメガネのコーディネートはもちろんですが、その先にある自身の生活スタイルまで影響するものだと感じました」
そこで神成店長は、良い意味でこれまでのメガネ販売と決別。顧客の人生がいまより楽しく充実させるような、質の高いライフスタイルの提供に専念する。これはメガネがもたらす社会貢献に通じるものだ。
その具体的な行動は、店内にいるだけでも感じ取ることができる。メーカーからの販促物には、生活をイメージしやすくなるような手書きのコメントを加える。例えば世代を越えて普及し続けているデジタル社会。こうした環境変化は理解しているが、意外にも見る環境への対応如何によって快適になることは十分浸透していない。「いまメガネの情報はプライスだけ。メガネが持つ使命がどんどん薄れています。だから、メガネの特性を知るためのきっかけづくりができればと考えています」と神成店長。
また総合的な視力のアドバイザーとしては、地元の眼科医をまわり、メガネの情報をダイレク

トに伝えるなど、しっかりと地域に根ざす活動を続けている。その信頼の高さは、ジュニア用メガネを数多く調製していることが裏付けている。もちろん神成店長は業界が進めている、認定眼鏡士でもある。
先の大震災で大きな傷跡を残した福島県。会津若松にも被災者が避難してきた。その直後から神成店長は単身、避難所を巡り、メガネ調整などのボランティアに動く。メディアが報じない舞台裏でもある。神成店長も改めてメガネへの思いを深くしたというが、こうした活動を見るだけでも、QOL(生活の質の向上)への深い理解を感じることができるだろう。
SHOP DATA
店長の神成達也さん
店長おすすめの一品
上:リドル R-105
中:カザール 4182
下:リドル R-096
メガネのアイワ
住所:会津若松市栄町3-23
TEL:0242-27-1440
営業時間:10:00〜19:00
定休日:水曜日
ブログ:http://ameblo.jp/opt-aiwa/
取扱ブランド
カザール、リドル、ジパーツ、マスナガ、杉本圭、コーキ、アミパリなど