private eyes magazine

 

 


ブランドストーリー
「寿寿美 SUZUMEE」
何とも言えぬ日本的で 美しい響きを持つネームであろうか。



渋谷区神宮前のアイウェアショップ「ジュジュビー」から発信しているこのコレクションは、日本の美意識に加え、「東洋と西洋の融合」をデザインコンセプトに展開。オリジナルコレクションという枠を飛び越え、今では全国約七十店舗のショップでも紹介されている。 サングラスはもちろん、メガネもようやく個性を飾るファッションアイテムの一つとしてその地位 を高め、メガネ好きの輪が広がっているのはご存知のとおり。メガネを好きになればなるほど、人とは違ったものを手に入れたい、というのは人の常。この気持ちは作り手側も同じである。 既存の商品には飽きたらず、オプティカルショップが手がけるハウスブランドがその流れになるが、自分のショップ以外でも販売されているコレクションとなると、そう数があるわけではない。国産となると、この寿寿美が唯一の存在かも知れない。 寿寿美の誕生を語る前に、このコレクションを生んだジュジュビーの歴史に簡単に触れておかなければいけないだろう。 もともとジュジュビーは問屋のアンテナショップとして創業し、ショップ展開を開始して今年、十八年を迎えている。アパレルやキャラクターなどのライセンスによるブランド展開に疑問を投げかけ、メガネファッションの本質をメガネそのものに求め、いち早くフレームデザイナーを起用したコレクションを発表。 オリジナルサングラス、インポートコレクション、グラスコードなど顔回りのファッションをも提案。原宿界隈のコンセプトショップの草分け的存在で、今日のメガネファッション定着への貢献度は高い。 このように常にメガネの本質を追い求める姿勢が、寿寿美の誕生に結びつくのだが、何といってもその目出度くも美しいブランドネームに目が行ってしまう。しかもブランドロゴは縦にも横にも読めるもので、「東洋と西洋の融合」というブランド姿勢が表れている。 「以前、ノベルティとして手ぬぐいを作ったのですが、私の友人にデザインを頼んだらそこに寿寿美という文字を入れてくれたのです。店名のジュジュビーとも読めるシャレを利かせたものでしばらくノベルティ用に使っていました」と話す澤 英雄社長。意外にもメガネには使われていなかったが、一時その使用も休んでいたものの、オリジナル商品の開発構想が持ち上がり、寿寿美が復活しオプティカルコレクションとして生まれ変わったのは四年前のことだった。 言葉遊びとネームから連想される日本の美的感覚。ショップを運営しているからユーザーとの距離感が誰よりも近く、時代の要請を的確に捉えることができる。しかも時代の一歩先を読み、日本製を前面 に打ちだす寿寿美オプティカルコレクションが動き出していく。 当初はジュジュビーのみでの取扱いで、一枚物のハンドメイドとして地道な展開を続けていた。しかし一年を過ぎる頃には、その人気も拡大し、多くのユーザーの満足を得られるという判断に立つ。その理由の一つは一枚物のハンドメイドでは製法上からくる完成度に問題があり、手作りの良さを十分に残しながら機械の工程を加え、生産枚数とのバランスを活かした生産ラインの整備ができたこと。二つ目は寿寿美のデザイン、創造性豊かなカラー展開で多くのユーザーにメガネを掛ける楽しさを提供できる、ということからである。 そこで他店との取り引きを徐々に開始し、現在、約七十店舗のオプティカルショップとのパートナーシップを結び、ほぼ全国のユーザーがこの寿寿美を直に見て、触れられる機会が増えていった。 寿寿美のブランドコンセプトは、「顔の上で主張を始めるアイウェア」。コレクションはアイウェアとして自ら主張せず、人の顔の上ではじめて主張し始め、装用することによって機能し完成するということ。 このコンセプトによるデザインテーマは、ベーシック+α。メガネにおけるベーシックを機能性と掛ける人のアイデンティティと捉え、そしてαは時代のエッセンス、人が年を重ねていくうえで変化していく美の主張という。 中でもプラスチックフレームに寿寿美の特徴が存分に表現されている。それは可能な限り手仕事を残したことにある。表面 上の美しさを保つため熟練の職人が一枚一枚丹誠込めて仕上げ、カラーは他では決して見られない渋めの色を採用している。 デザインはスタッフの長嶺昭代さんがアイディアをふくらます。デザイン部門を外部に頼らず創作を続けていくところがハウスブランドの所以である。 長嶺さんは大のメガネ好きでジュジュビーでのアルバイトを経て入社。彫金などのアクセサリーづくりも手がける感性の持ち主だから、澤社長の一声で商品企画に抜擢。 「メガネは工業製品ではありますが、それは掛けた瞬間に無縁のものとなります。メガネは掛けた時点で回りの人たちはファッションとして見ています。時計とかバッグ同様に見た目の面 白さや魅力で使うものではないでしょうか」という視点で長嶺さんはメガネを捉える。 寿寿美はメガネ以外でも楽しませてくれるものがある。専用のオリジナルメガネケースだ。メガネに勝るとも劣らない新機構と意匠にあふれ、何と筒状である。メガネが落ちない秘密は中敷きにあり、しかも機能性が抜群でメガネを収納していないときは、薄く畳んでおくことができる。 またジュジュビーショップとweb上のみの取り扱いとなるが、初のサングラスコレクションを発表。人気のbO29を一部改良し、フレームに見合ったレンズカラーをチョイスしたシリアルナンバー入りの限定50モデル。世界にたった一枚しかないレアものだ。すでに販売を開始しており、早くも残りわずかとなっている。 新しいメガネの魅力を発見させてくれる寿寿美は毎年秋、十型程度の新型をリリースする。そして早くも2002年コレクションテーマを本誌にいち早く発表してくれた。それは「レトロ&モダン」。 50〜60年代のイメージから得たモダンなチェッカーフラッグや動きのあるドットなど、グラフィカルでフラットなプリント柄をのせて、キッチュでアニメ的な雰囲気を表現。メタル素材では平面 的なイメージを出しながら、新素材のゴムメタルに新技術をプラスしたアバンギャルドなコレクションがリリースされるという。 ブランド名の寿寿美を印した落款が耳に掛かるモダンに刻印されてもいる。日本の美と技術を今に伝え、「東洋と西洋の融合」というコンセプト通 り、寿寿美が世界の舞台に立つこともそう遠くはないだろう。

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