private eyes magazine vol2

1956年、 レイバンの マーケティングに 大きな転機が訪れた。
サングラスを ファッションや アクセサリーとする 風潮が 目覚めたのだった・・・

 

レイバン誕生  

1923年5月、米国陸軍航空隊のジョン・マクレディ中尉は、フォッカーT2型輸送機による北米大陸無着陸横断飛行に成功。彼は、飛行中の強烈な太陽光線による視力の消耗、頭痛や吐き気に悩まされた経験からパイロットの目を保護するサングラスを依頼した。これを受けて、幅広い分野から優秀な技術者を動員し、6年もの長期にわたって徹底研究した結果 、紫外線を99%、赤外線を96%カットという世界初の光学的裏付けを持つレンズ、”レイバングリーン”を完成させた。今日でも定評のあるこのレンズは当時の米国政府規格を大幅に上回る画期的な機能を備え、1930年「アビエーター・モデル」と称されたサングラスは米空軍に正式採用された。
1937年、二つの重要なステップをとった。第1のステップは、「光を遮る」という意味を込めた「RayーBan」ブランドを誕生させたこと。以後60余年を経て、この名はサングラスの代名詞となっている。第二のステップは、優れた光学レンズとティアドロップ型のフレームからなるサングラス「クラシックメタル」を市場導入したこと。このスタイルは、後にレイバンのベストセラーとなり、サングラスの模範的スタイルとなった。さらに1938年には「シューター」が登場し、日本で爆発的なブームとなったイエローのレンズ「カリクローム」もこの時に生まれた。そういえば、射撃手達に人気のあった「シューター」のブリッチ部のO型リングには沢山の説がある。有名なところでは、射撃手達に広く愛用された理由としてその昔、ブリッチ部のリングにタバコを差しておくと、「立ち昇る紫煙によって風の向きが分かる」と言われたものではあったが、実は純粋にフレームの結合をより強化するためのパーツであった。発売当時アメリカでは、各種射撃雑誌に説得力のある広告が掲載された。その中でも銃のトラブルによる機関部破裂で顔面 を負傷した射撃手が「私はレイバンを掛けていたことで、アクシデントから目を守る事ができた」というコメントは世界中のシューター達を感銘させた。

レイバンのアドバンテージ  

1956年、レイバンのマーケティングに大きな転機が訪れた。サングラスをファッションやアクセサリーとする風潮が目覚めたのだった。これをとらえレイバンの製品ラインを大幅に拡大し、毎年多数の新製品を導入するようになる。これらのサングラスは、従来の機能重視のサングラスにファッション性も加味して開発されたため、フレームのデザインや飾り、カラーにおいて、画期的なものだった。 1987年になるとレイバン誕生50周年を記念し、マッカーサー将軍にちなんで、「クラシックメタル」に風格を持たせた「ザ・ジェネラル」を発売。レイバンサングラスは、本来、目を保護するために開発されたものだが、その究極の機能性から生まれたファッション性も、いまや世界中から多大な評価を得ている。それを象徴するように、この年、A.F.D.I.(アメリカンファッション・デザイナー評議会)から、ファッション界におけるレイバンの貢献に対して名誉ある賞を贈られている。ただのファッショナブルサングラスに対し優れた光学技術のアドバンテージに裏付けされたレイバンサングラスは、アイデンティティ・アイテムとして、愛用者はますます増え続けていくことになる。

映画の中のレイバン  

機能に重点を置いたレイバンサングラスは、以後実用的なプロフェッショナル・アイテムとして定着していく。パイロットのみならず、ハンター、ヨットマン、フィッシャーマン、ドライバー、警察官などのあいだで、急速に普及していった。 50年代半ばアメリカの市民生活にもようやく余裕が出始めた頃新製品「ウェイファーラー」が発売される。クラシックでシンプルなデザインとカラー、丈夫な構造、優れた装着感などを持つこのサングラスは、発売以降40年間の長きにわたって、着実な販売実績を維持した。このころ、レイバンは様々映画のシーンに登場することになっていく。「ゴーストバスターズ2」「ダイハード2」「ハードウェイ」「オールウェィズ」「ブルース・ブラザース」とその数は数えきれない。不良っぽいイメージのあったウェイファーラーはこの映画デビューをきっかけに人気が急上昇した。珍しいモデルも登場した。「バックドラフト」ではシグネット。「トータル・リコール」ではデコのブラックが採用されている。映画の中のレイバンを見ているだけで、このレイバンというサングラスは、アクション映画からミステリー、そしてSFまでおよそありとあらゆるジャンルの映画において、主役を引き立てるスパイスの役目を果 たしていた事が見てとれる。

<<private eyesマガジンでは・・・>>
スポーツギアとしてのレイバン、そしてレイバンのエコロジーについてと続きます。

private eyes webマガジン TOPへ